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(,,゚Д゚)己を信じる争いのようです川 ゚ -゚) ep.Ⅵ

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352282412/361-454/

 << ep.Ⅴ  ep.Ⅶ >>

361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:46:16.26 ID:+3xj7nt1O


*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *
――数分前

(,,゚Д゚)「……!」


血の跡を追えば、きっと敵の本陣にたどり着くだろうと思い、進んでから十数分。
血の跡は途中で途切れてしまっていた。


ζ(- ζ


碧眼の少女の遺体が、そこにあった。
本陣に戻ろうとしたものの、途中で力尽きてしまったのだろう。

先の戦闘が思い出され、ギコはいたたまれない気持ちになる。
墓でも作ってやろうかと考えたが、その考えはすぐに払拭した。

……彼女は敵だ、同情は不要。
そんなことよりもこの戦争を終わらせるのが先決だ。


(,,゚Д゚)「……すまんな」


一言、詫びの言葉を残してギコは再び駆け出した。
おそらく、敵の本陣はもうすぐだ。



362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:46:29.94 ID:wAhkg04s0


ラスト近いか?


363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:47:23.72 ID:+3xj7nt1O


もう森のかなり奥へ来ているはずだが、火の手はもうギコのすぐ背後まで迫っている。
ギコは改めて、人間の生み出した科学の恐ろしさを実感した。。

そんなことを考えながら走り続けると、少し開けた場所に出た。
広場にはいくつかの魔法陣が展開されていて、その周囲にはエルフの姿もちらほらと見受けられる。


「な……!?」

「ニンゲン……だと……!!」

「馬鹿な……!魔法陣にはなんの反応も……!!」


その場にいたエルフ達のどよめきが聞こえる。
どうやらここからエルフ達は超遠距離攻撃を行っていたらしい。
この魔法陣で人間のいる位置を割り出し、そこへ向かって矢を放っていたようだ。

とすれば、ここはかなり重要な場所。
すなわち本陣に近い、もしくはこの場所自体が本陣の可能性もある。

……戦争の終結は近い。






367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:49:08.63 ID:+3xj7nt1O


「ぐっ……おのれ!!」


エルフの1人が炎を繰り出してきた。
先ほど戦った灼眼の少女と比べると、明らかに小さく、弱々しいとも感じさせるほどの炎だ。


(,,゚Д゚)「まずは……」


ギコは炎に向かって走り出す。
炎はギコの絶対領域に入った瞬間に消えてしまった。

困惑の表情を浮かべるエルフの顔が近づく。
ギコはその胸に剣を容赦なく突き立てた。


(,,゚Д゚)「……1人」


剣を引き抜くと、大量の血液が吹き出し、ギコの体を汚していく。
他のエルフ達は困惑の表情を浮かべている。
が、ギコが再び剣を構え直すと彼女らは一斉に魔法で攻撃をしかけてきた。



370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:51:13.74 ID:+3xj7nt1O


(#゚Д゚)「効かねぇよ!!」


エルフの魔法を無力化しながら……否、ただがむしゃらに突っ込んで次々とエルフ達の命を奪っていく。
魔法を放っているスキに距離を詰め、そのまま首をはね飛ばす。

ギコの前ではエルフ達はあまりに無力だった。
抵抗することもままならないで、1人、また1人と命を刈り取られていく。


十数人ほど斬り、あたりに血の臭いが充満してきた時のことだった。


「お止めなさい!!」

(,,゚Д゚)「……!」


突如、森の広場に若い女の声が響いた。
そして、森の奥から姿を現したのは、


(*゚ー゚)「それ以上の狼藉は、私が許しません」


背丈の小さな、一人のエルフだった。



373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:52:59.87 ID:+3xj7nt1O


(*゚ー゚)「そこの人間。私の民達をこれ以上傷つけるのはやめなさい」


小柄ながらも、その立ち振る舞いは堂々としている。
そして、今の言葉。
そこから推測するに……


(,,゚Д゚)「……あんたが、エルフの女王か」

(*゚ー゚)「そうです」


少女は凛とした表情のままそう答えた。
すでに何人ものエルフを屍に変えているギコを見ても、全く臆することはない。
その体格に似合わず、かなりの度胸の持ち主のようだ。


(,,゚Д゚)「……じゃあ、お前を殺せば全て終わりだな」

(*゚ー゚)「そうです」


ギコは剣を構え直し、エルフの女王を見据えた。
相手はエルフ達の頂点に立つ者。
一体どんな攻撃をしてくるのかは想像もつかない。



374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:53:00.65 ID:ZXhWPmr00


魔法に頼り切るのも問題だな


377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:55:09.16 ID:+3xj7nt1O


しばらく睨み合いが続く。
だが、エルフの女王は一向に攻撃して来なかった。
何か罠でも仕掛けてあるのかと、ギコが疑い始めた頃、女王は口を開いた。


(*゚ー゚)「私にはもう魔力は残っていません。殺したければ殺しなさい」


表情を変えずに、女王はそう言い放つ。
女王の言葉に他の生き残ったエルフ達もざわめきだした。


(*゚ー゚)「……ですが、その前にあなたに聞きたいことがあります」

(,,゚Д゚)「……なんだ」


(*゚ー゚)「人はなぜ、争いを望むのですか?争いからは何も生まれません。ただ失われるのみです」

(,,゚Д゚)「何を言う。俺達は降りかかる火の粉を払っただけだ」

(*゚ー゚)「降りかかる……?」

(,,゚Д゚)「ああそうだ。お前達が攻めてきたから、俺達は俺達の国を守るために戦ってるんだ」


(,,゚Д゚)「……そうじゃなきゃ、俺はこんなに迷っていない」



383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:56:41.52 ID:+3xj7nt1O


ギコが呟いた最後の言葉は、エルフの女王に届かなかった。
女王は何かを必死に考えているようだ。


(*゚ー゚)「……そう……そういうことですか」

(,,゚Д゚)「……?」

(*゚ー゚)「……あなたも、かわいそうな人です」

(,,゚Д゚)「……どういう意味だ」


(*゚ー゚)「この戦いは、人間達の侵略から始まりました」

(*゚ー゚)「ですが、あなた達の王はエルフから侵略を受けたと虚偽の触れを出し兵を募ったのでしょう」

(,,゚Д゚)「……ふん。バカを言うな。俺達は町を一つ焼かれているんだ。……エルフ達の手でな」

(*゚ー゚)「……町を?」

(,,゚Д゚)「ああそうだ。俺の……故郷だ」



384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:56:49.56 ID:EY/PddFPP


魔法に頼り過ぎて負けたという事はやはりエルフの剣士は最強だったという事だな


388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:58:04.90 ID:+3xj7nt1O


(*゚ー゚)「……人間の業の深さには底は無いのでしょうか」

(,,゚Д゚)「どういう意味だ」

(*゚ー゚)「あなたは知らなくてよいのです……。私を殺し、すぐに国へお帰りなさい」


(*゚ー゚)「これ以上エルフを、人間を、そして……あなた自身を傷つけるようなことはありません」

(,,゚Д゚)「……っ」


女王の言葉に、ギコの心は揺れていた。
これが、人間を虐殺し、侵略しようともくろんでいた者の言葉だろうか。
全てを見透かすようなその瞳は、無垢な子供のように澄んでいる。


(,,゚Д゚)(でも……)


ここまで来て、今さら後には引けない。
今ここで女王を殺せば戦争は終わる。
人間もエルフもこれ以上傷つかずに済むのだ。



392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 00:59:42.46 ID:+3xj7nt1O


(,,゚Д゚)「……悪く思うなよ」


白く細い喉にギコが剣を突きつける。
女王はそれでも動かず、静かに目を閉じた。
そして、ぽつり、ぽつりと言葉を紡ぎ始めた。


(*-ー-)「……私は、例え人間が相手でも話し合えば分かり合えると思っていました」

(*-ー-)「きっとあなたなら状況が状況であれば話し合いに応じてくれたでしょう」


(,,゚Д゚)「……」


ギコは黙って女王の話に耳を傾けた。
これから死ぬ者の最期の言葉だ。
ちゃんと聞き届けるのが礼儀と思ったのだ。


(*-ー-)「……でも、諦めました。私達は私達の正義が、あなた達にはあなた達の正義がある」

(*-ー-)「それぞれの正義にとって、互いの存在は悪でしかない。優しい言葉も暴言と捉え、頬を撫でられれば殴られたと思い込む」

(*-ー-)「……『争い』になった時点で、言葉は気休めにしかならないのです」



394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:00:42.84 ID:nZQNyOzo0


シィの方が女王の器だな


396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:01:14.47 ID:+3xj7nt1O


(*゚ー゚)「……さぁ、やりなさい。大悪に利用されし哀れな傀儡よ。私の命と引き換えにこの戦争に終止符を打つのです」


なんと気高く、そして優しい女王だろうか。
自らの命を差し出し、そして民達を守ろうとする。
これが本当の王たる者の姿だろう。

(,,゚Д゚)(……俺は、こんな王を殺さねばならないのか)

ギコの剣を握る手に力が籠もった。
戦争を終わらせると決めた身、彼女を殺さないわけにはいかない。

剣先がゆっくりと動き……



「シィ!!!」



(,,゚Д゚)「!」


森の奥から声が飛んでくる。
声がした方向に目を向けると、そこには美しい黒髪を揺らすエルフがいた。

その目に浮かぶのは困惑と、焦燥。
それもそうだ。
彼女たちの王は敵である人間に剣を突きつけられているのだから。



400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:02:54.13 ID:+3xj7nt1O


(*゚ー゚)「止まりなさい!!!」


女王は今までより大きな声を張り上げた。
黒髪のエルフは思わず足を止める。

それからまた何かを言おうとしたが、その言葉を女王の言葉が遮った。


(*゚ー゚)「良いのです……我々は戦に負けたのです。私は、女王はここで散ります」


女王の言葉に、黒髪のエルフは目を白黒とさせるばかりだ。
状況が把握できないのだろう。


(,,゚Д゚)「……その通りだ。女王は、ここで死ぬ。これで、戦争は終わる」


顔を女王に向けたまま、ギコはそう言った。
ふと女王と視線が合う。
『早くやってくれ』と、そう言っているような気がした。



402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:04:40.86 ID:+3xj7nt1O


再び剣を握る手に力が籠もる。
黒髪のエルフが何かを言っている声が聞こえたが、その言葉までは届かない。
ゆっくりと剣を引き上げ……


(,, Д )「……すまん」


小さな、簡単な謝罪の言葉と共に銀閃は女王の首元を通過する。
なんとも細くて、柔らかい首。
切り落とすのには、そう力は必要無かった。


戦争は終わった。
もう誰も傷つかず、傷つけずに済む。


(,,゚Д゚)「……女王は死んだ。これで……戦争は終わりだ」


川  - )





―――そう、思っていた。



404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:05:25.69 ID:ZXhWPmr00


あくまで一兵士、か


405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:06:14.06 ID:+3xj7nt1O


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

赤い、紅い、朱い水が、噴出す。

その血は、今まで何度も見てきた血と、同じ液体とは思えない程美しく滴り、大地を濡らした。


気づくと、腰に帯びた剣を抜いていた。

(,,゚Д゚)「待て!女王は死んだ。戦争は終ったんdあ[<-~\!#$$"$#{*}_争09@*$肴ネ―――

男が、ニンゲンがナニカ喚いているが、それは獣の鳴き声よりも取るに足らない声だ。

駆けて、剣を振るう。
男が剣を合わせてくる。

一、二、三、四……何度も剣と剣がぶつかる。
お互いの意思を代弁するかのように。



406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:07:28.57 ID:+3xj7nt1O


普通のニンゲンなら眼で捉えることもできない程高速の攻撃なのだが、どうやら相手はニンゲンではないようだ。
ツンの報告にあった改造人間――戦争のための悲しい機械人形、といったところか。

いずれにしろ、埒が明かない。

一度距離を取る。

本来なら、魔法を撃つべき場面だが、デレが決死の思いで伝えてくれた想信のおかげで、魔法が利かないことは分かっている。

なので、時間を置かず、すぐさま跳躍し、重力と共に男に剣を振り下ろす。
が、その攻撃は、容易く男にかわされる。



408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:08:09.94 ID:+3xj7nt1O


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


(,,゚Д゚)「待て、女王は死んだ!もう戦争は終わったんだ!もう争いを続ける意味は無い!」

黒髪のエルフに向かって、両手を挙げてもう争う意思は無いことを訴える。

川 - )

が、エルフは聞く耳を持たない様子で、腰の剣を抜いた。
そりゃ、そうか。
女王を殺した男だ、なんとしても殺したい相手だろう。

だがこちらも、みすみす殺される訳にはいかない。
俺一人の為に、何人もの兵が、戦友が、命を散らしているのだ。

剣を抜き、応戦する。

黒髪のエルフは頭に血が上っているのか、我武者羅に剣を此方に振るってくるだけだ。
もっとも、改造していなければとっくに細切れになっているであろう速度なのだが。

その嵐のような剣戟を、冷静に一つ一つ受け止める。

(,,゚Д゚)(剣の腕はさほどでも無いか……)

幾度か、反撃する隙はあった。
が、先程の女王との会話が、ギコの刃を鈍らせていた。



412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:09:56.47 ID:+3xj7nt1O


(,,゚Д゚)(どうにも、やり辛いな……)

突如、黒髪のエルフが後退した。
距離を置き、魔法を放つつもりだろうか。効きもしない魔法を。

そう考えながら、黒髪のエルフが下がった方向に眼をやると、エルフは消えていた。

――何処だ?

――上か!!

何時の間にか高速で跳躍していたエルフが、兜割りを狙っていた。

兜割りは強力だが、その直線的な軌道は容易く読み取れ、回避するのも容易だ。

その軌道から、身をそらす。



414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:11:09.93 ID:+3xj7nt1O


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


回避する男を見て、女王は中空でほくそ笑んだ。

川 ー )

ここまでは、読み通り。
これは、振り下ろすフリだ。


空中で身体を捻り、剣を地面と水平に、男の方向に修正する。
ニンゲンにはできない、高い身体能力を誇り、そして女王として厳しい近接戦闘訓練を受けた彼女だからこそできる技だ。
流石に改造人間といえど、予期せぬ攻撃は避けることはできまい。

剣が、男の左腕を捉える。十分な手応え。
そして、軽やかに着地し、男を視界に捉える。

――おかしい。十分な手応えはあったはずだ。

男の左腕はつながったままだった。

切れた衣服から除く男の腕を見て合点する。
男の、本来皮膚があるべきそこには、機械の、鉄のパーツがあったのだ。

なら、狙うべきは、首か、頭か――全てか、だ。

再び、剣を男に向かい振る。
何度も、何度も、執拗に。燃え盛る木々に覆われた死の闘技場で。



417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:13:10.15 ID:+3xj7nt1O


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


(;,゚Д゚)(危ねぇっ!!!腕じゃなけりゃヤバかったな…)

認識を改めないとならないようだ。
空中での変則攻撃。常軌を脱した技術。

このエルフ、できる。

先程の一撃で、内部の精密機械がやられたようだ。左腕が軋む。

左腕を意識している間にも、黒髪のエルフは再び剣を振り上げている。
再び、烈風のような剣戟。

もう、手加減はしない。

冴え渡った頭で再び剣戟を一つずつ捌く。
そして、刹那の隙を捉え――

エルフの剣を、手元から弾き飛ばす!

勢い良く跳んだ剣は、くるくると弧を描き、燃え盛る森の中へ飛び込んだ。
もう回収はできないだろう。

驚愕するエルフの喉元に剣を突き立て、言葉を放つ。

(,,゚Д゚)「今度こそ降伏しろ。捕虜の待遇は俺が保障する」



421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:14:20.95 ID:+3xj7nt1O


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


川 - )(………)

川 - )(………クックック)

川 - )(アッハッハッハッハ!!!降伏だと?何もかも失った私にか!?)

森も、民も、ツンも、デレも、シィも失った。
私が捕虜として生き延びたとして、その残された生に何の意味があるだろうか?

川#゚ -゚)「断る!」

お前を殺して、私も死ぬ。
それがこの不毛な戦争にふさわしい結末だ。

喉元に突き立てられた刃から逃げるように跳躍し、一瞬で五メートル近くの距離を取る。

男は、動かない。

川 ゚ -゚)(確か、半径三メートルだったか)

なら、機能するはずだ。

掌に魔力を集中させる。
作り出すのは、魔力の剣。



425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:16:32.46 ID:+3xj7nt1O


そして男を睨み、造りだした剣を勢い良く振るう。

―――後ろの、燃える大樹に向かって。

根元からすっぱりと切れた大樹は、メリメリと嫌な音を鳴らせながら、男の方向へ倒れる。
この大きさの樹に押しつぶされれば、いくら鉄の身体と言えど持たないだろう。


ズッシィィイイイイイイイン!!!!!

轟音が鳴り、周囲が煙と火の粉に覆われる。

―――男は?



429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:18:23.62 ID:+3xj7nt1O


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


,,-Д-)「ゲホッゲホッ」

――なんて奴だ

エルフが大切にしているはずの樹を切り倒すなんて。


魔法の剣を作り、此方に斬りかかると見せかけてからの奇策。
正直、完全に意表を突かれた。

なんとか致命傷は免れたが、右足がダメになった。
改造のおかげで片足でも普通の人間並みには動けるが、このエルフとの戦闘では、機動力の低下は大きな痛手だ。

(,,゚Д゚)(――――死ぬ、かもな)

この戦争が始まって以来、常に意識していた、意識しざるを得なかった『死』をかつて無いほど身近に感じる。

(,,゚Д゚)(―――それにしても)



437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:21:26.15 ID:+3xj7nt1O


(,,-Д-)(争いが始まりゃ、言葉は気休めにしかならないってのは、本当だな)

先程降伏を促した時のエルフの顔を思い出す。
形容しがたい、いくつもの拒絶的な感情の入り乱れた表情。

火の粉と煙が引いてきたようなので、顔を上げる。
すると、その『表情』が視界に入る。

川 ゚ -゚)

(,,゚Д゚)


―――言葉は必要ない。会話は、機能しない。
二人は、黙って、何度目かの争いを再開した。



442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:24:46.12 ID:+3xj7nt1O


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

腰から短剣を抜き、ニンゲンを睨んだ。
リーチに差はあるが、奴を殺すにはこれで十分だ。


川#゚ -゚)「……っ!!」


一歩で間合いを詰め、ニンゲンに突きを繰り出す。
喉、目、心臓……急所を狙って放った高速の連撃はあっさりとかわされてしまった。
……やはり反応速度は尋常ではない。
普通の単調な攻撃では奴に手傷を負わせるのは不可能か。


川#゚ -゚)「ならば―――!」


魔力を集中、即座に射出。
岩塊がニンゲンに向かって行き、そして消える。
その隙にニンゲンの後ろへと回り込んだ。

……魔法はただの目くらまし。
未だに先ほどまで自分がいた場所に視線を泳がせているニンゲンの首へ剣を突き出した。



448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:28:05.58 ID:+3xj7nt1O


(#゚Д゚)「だぁっ!」


しかしニンゲンは振り返りざまにこちらの攻撃を弾き、すぐさま距離を取った。
……反応速度、敏捷性もずば抜けている。
単騎でここまで攻めてくるだけの実力は十分に備えているみたいだ。

だが、スピードならこちらも負けていない。
それに、ニンゲンの武器が長剣なのに対し、こちらは短剣を使っている。
攻撃にかかる時間を考えれば間違いなくこちらが有利だ。
……負ける要素などない。


(,,゚Д゚)「……」


ニンゲンは長剣を構えて一定の間合いを保ち続けている。
攻撃を仕掛けてくる様子は全く見られない。

……賢明な判断だ。
あちらが攻撃を仕掛けてくれば、その隙に私の短剣が奴の喉を貫くだろう。



450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:30:07.41 ID:+3xj7nt1O


しばし、睨み合いが続く。
不思議と頭の中は落ち着いてるように感じられた。
決して怒りを忘れたわけではない。
だが、もう先ほどのように無策に攻撃したりはしないだろう。


川 ゚ -゚)(……奴が隙を見せない限り、奴を仕留めることはできんな)


間合いを保ち、こちらの行動に目を光らせている今ならばなおさらだ。
こちらから仕掛けても向こうの反撃を食らうことは無いだろうが、決定打を与えることも出来ないだろう。

……ならば、その隙を作り出せばいいまで。


川#゚ -゚)「はぁぁぁぁっ!!」


額、喉、腹と正中線上に突きを繰り出す。
ニンゲンは初撃を躱し、喉と腹への攻撃は剣で防いだ。

後ろへ回り込み、さらに連撃を加える。
全て防がれたものの、ニンゲンの顔に余裕の表情は浮かんでいなかった。



454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 01:31:21.76 ID:+3xj7nt1O


川 ゚ -゚)(……まだだ。まだ足りん)


余裕が消えたように見えるが、まだ攻撃は防がれ続けている。
ニンゲンの周囲をグルグルと回りながらさらに攻撃を続けた。

表情からは余裕が消えたが、どうやらまだ攻撃を防ぐ余裕は残っているらしい。


川 ゚ -゚)(ならば……)


魔法を弾幕に、さらに死角からの攻撃を繰り返す。

それでもニンゲンは私の攻撃を躱し、防ぎ、時には反撃もしてきた。


川; ゚ -゚)(く……!このニンゲン、死角という物が存在しないのか……!?)


ただがむしゃらに、ただひたすらに。
突き、斬り、また突く。

狙うは仲間を……シィを殺した一人のニンゲンだ。







 >> ep.Ⅶへ続く
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[ 2012年11月08日 21:16 ] カテゴリ:2ch VIP SS | TB(0) | CM(0)
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