さいたま の おっさん 多め
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(,,゚Д゚)己を信じる争いのようです川 ゚ -゚) ep.Ⅲ

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352282412/138-233/

 ep.Ⅱ <<  >> ep.Ⅳ

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:23:06.77 ID:uZAPf86n0


読んでるなら手を動かせー
支援しろー

157 :名も無きAAのようです [] :2012/11/07(水) 21:20:36 ID:q7YSVTO2O
【祝】2さる達成【まだまだ行くぜ】



132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:24:20.61 ID:yzYcTKDf0


さるめ 支援


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:25:11.52 ID:8BYw2Wuo0


さるよけ


134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:25:16.94 ID:Q0CP7UkV0


さる帰れ






137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:26:58.95 ID:f9WbjnGCO


*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *

―同刻

――エルフの森

人間が見たことも無いような大木が立ち並ぶエルフの森の中でも、一際巨大な樹が、エルフの森の奥深くにある。
神秘的であり、厳しくもあり、そしてなにより美しい、古代樹がある。
昇りたての朝日を背負った古代樹、その巨影の下に、エルフ達が集っていた。

川 ゚ -゚)「先刻の戦い、ご苦労だった」

古代樹の麓、いや、むしろ古代樹に腰掛けるようにしている女王が口を開いた。
その傍には、例の灼眼と碧眼の双子の侍女が立っている。

川 ゚ -゚)「我々は昨日無事、この美しき森を守ることができた」

川 ゚ -゚)「全て、諸君らの頑張り、そして我々の結束のおかげだ」

女王の労いで群集が沸く。

川 ゚ -゚)「では、これからの戦闘のための議論を交わそうか」

が、ざわめいていた群集が、女王の一言で波を打ったかのように静まる。
エルフの民全員による議会が、始まるのだ。
エルフには古来より、何かを決定するときは森に属する者全員が集い、議論を交わす掟があるのだ。



141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:29:18.30 ID:f9WbjnGCO


川 ゚ -゚)「昨日の戦いでは、人間共が油断していたこと、さらに我々の領域で戦うという地理的要因で勝つことができた」

川 ゚ -゚)「荒野の戦いでは多くの仲間を失ったが、森までおびき寄せ迎え撃つ作戦は有効だったようだ」

群集が静かに沸く。
仲間の犠牲は無駄ではなかった。今まで舐めた辛酸は、有益だったのだ。

川 ゚ -゚)「だが、次の戦いではこうも上手くいかまい」

そして再び、静まり返る。

川 ゚ -゚)「奴らも馬鹿では無い。何故負けたのかを考え、手を変えて攻め込んでくるだろう」

川 ゚ -゚)「今宵集会を行ったのはその為だ。作戦会議、という奴だ」

川 ゚ -゚)「我々に課せられた課題ははこの森をいかに護り、奴らを追い払うか、つまり、防衛戦だ。
     防衛戦において最も大切なことは・・・敵の動きを読むことだ。
     ニンゲン達が次にどう動くか、幾つかのパターンが考えられる。
     どのような行動が予想されるか、思いついたものから挙手したまえ」

2、3秒の間の後、灼眼の侍女が手を挙げた。

ξ゚⊿゚)ξ「1つ目は、物量作戦で攻めてくることが考えられます」

ξ゚⊿゚)ξ「先程の戦闘は、小手先調べだったのか、過去の荒野での戦闘より明らかに敵の総勢力が少なかったです」

ξ゚⊿゚)ξ「よって、先程の戦闘は囮であり、次に人間共の得意な物量作戦で押してくるのが一番確率的に高いかと
      また、この戦法で来る場合は、敵は、こちらの疲れが癒えぬ早い段階…今日中にでも攻めてくると予想できます」

灼眼の侍女、ツンは熱意の篭った口調で捲くし立てた。



145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:32:42.76 ID:f9WbjnGCO


川 ゚ -゚)「確かに、その線は濃いな……これに関してはなんら対策の仕様が無い、か」

ξ゚⊿゚)ξ「強いて言うならば、指揮官を狙うこと、ですかね。
     大群だと、指揮系統を崩せば足並みの乱れも大きいかと」

川 ゚ -゚)「そうだな……。そうだ、以前考えた『狙撃手』の用意をしておこう。後、今日は警備を多く巡回させよう。
     他に意見はあるか?」

ζ(゚ー゚*ζ「ハイハイハイ!!」

ハイテンションな碧眼の侍女、デレが元気一杯に手を振り上げる。

ζ(゚ー゚*ζ「デレは、逆に忍び寄ってくるんじゃないかな、と思うよ」

ζ(゚ー゚*ζ「私達が有利なのは、森を知り尽くしてるからだよね?
      なら相手も森について詳しくなろうとするんじゃないかな」

ζ(゚ー゚*ζ「だから、森にこっそり……えーと、なんて言うんだっけ……すねーく?」

言葉に詰まるデレに、ツンが赤面しながら耳打ちをする。

ζ(゚ー゚*ζ「ああ、そうそう!侵入して潜伏して、地図を作ったり、盗み聞きしたりするんじゃないかな!」

川 ゚ -゚)「ふむ、それも考えうるな。侵入に関しては『狙撃手』でついでにカバーできるが、まぁ巡回を強化することにしよう」

あらかた、考えうる行動は出尽くしただろう、とクーは思った。
今敵がしうる最善の行動はこの二つだろう。
一応、という思いで、クーは再び群集に問う。

川 ゚ -゚)「他に意見は?」



149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:37:26.11 ID:f9WbjnGCO


沈黙が流れる。やはり、もう意見は無いだろう。
エルフの民の多くは自己主張を好まない。
全員出席、とは半ば形ばかりであり、以前から声の大きい者、地位の高い者の発言が多くを占めていたのだ。

女王は、そんな状況を快く思っていなかった。
民全員の議会と謳いながら、議会は自分とその取り巻きの発言で完結するのだ。
これでは人間共となんら変わらないではないかと常々皮肉に思っていた。
故に、いつも女王は民に何度も意見を求める。しかし、その問いかけはいつも虚空に響くだけであった。
女王が何度も問いかけることにより、民が更に意見を言い出しづらくなっているのだが、女王は残念ながらそのことには気づいていなかった。
女王は強かったが、故に弱者の心を理解することはできなかったのだ。

今日も、意見は無いのか……。
そう思い、女王がしぶしぶ解散と口にしようとした時、群集の中から一本の手が、オドオドと挙がった。

川 ゚ -゚)「……そこ、意見を」

(*゚ー゚)「……はい」

手を挙げたのは、まだ一人前に成り立てであろう、若いエルフであった。
エルフの寿命に照らし合わせれば、幼い、と言っても過言ではない程だ。

(*;゚ー゚)「え、えーと、その……私は……」

群集の視線を浴び、若いエルフはしどろもどろになってしまう。

川 ゚ -゚)「何をしている、早く言うが良い」

そんな若いエルフを女王が急かす。
嫌がらせでも何でもなく、ただ純粋に久しぶりの民の発言に心を躍らせているのだ。
若いエルフは、しばらく口をぱくぱくと無意味に動かした後、意を決したかのように発言した。



154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:39:44.33 ID:f9WbjnGCO


(*;゚ー゚)「その……森が焼かれるんじゃないかな、って思います」


瞬時に、群集から幾つもの怒声が沸いた。

森は、彼女達にとって、住居であり、故郷であり、聖域であるのだ。
それに対する冒涜的な発言は、言うならば信者の前で無神論を主張するようなものである。
群集の中には若いエルフに今にも掴みかからんとする者までいる。
また、木々を、生命を焼く火は、エルフにとって冒涜的な事象なのである。彼らは火の魔法を嫌い、使う事を禁忌としている。
仮定の話だったにしろ、彼女は二重に森を冒涜したのだ。

川 ゚ -゚)「静まれ!静まるのだ!!」

女王の一喝。

怒りを露にしていた群集が静止する。

川 ゚ -゚)「……そこにいては面倒だ。壇上に上がるが良い」

女王なりの配慮であった。

女王も若いエルフの発言には眉をひそめたが、それ以上に、面白いと思っていた。
不謹慎であるが、女王は森への冒涜を咎めるより、久々の発言者と議論を交わすことが重大に思えたのだ。
群集の中では彼女も思うように発言できまい、という、配慮である。

二人の侍女が、そんな女王を二度見する。
女王が、このような心遣いをするのは、稀なことであった。
特に、名も知らぬ者に対しては。



155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:40:56.14 ID:f9WbjnGCO


群集がスッと、静かに動き、女王までの道を開ける。
その道をオドオドと歩く若いエルフを、群集の多くは睨みつけていた。

川 ゚ -゚)「問おう。そのように考える理由は何か」

(*゚ー゚)「えーと……その、まず、誤解されてるかもしれないので、その誤解を解いときたいんですが……
     私は、次の戦いで早速森を焼いてくるとは思っていません」

(*゚ー゚)「ただ、もしこのまま何度も森を守りきることができたら、森が焼かれることも考えないとな、と思ったんです」

(*゚ー゚)「人間達だって、森のせいで負けてるって気づくでしょうし」

川 ゚ -゚)「だが、ニンゲンは我々の緑溢れる森を奪うのが目的なのだろう?
     それでは本末転倒ではないか。何度も負ければ大人しく諦めるのでは?」

(*゚ー゚)「ええっと……そうですね……。でも、人間達の間の戦争では割と良くあることのようです。
     他国の宝や食料を奪いたくて戦ってる内に、相手が憎くなって憎くなって、勝つために相手の国に火を放つ、ってことが」

川 ゚ -゚)「……本当にニンゲンは愚かだな。だがそんな話どこで聞いたのだ。信憑性はあるのか?」

(*゚ー゚)「私のお婆ちゃ……祖母が、昔人間を弟子にしてたそうです。その弟子かr……」
川; ゚ -゚)「ニンゲンを弟子にしていた!?……それは薬草のか?」

(*゚ー゚)「いえ……その……魔法の、です」



157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:42:21.24 ID:f9WbjnGCO


女王は、思わず黙ってしまった。
ニンゲンは魔法を操ることなんてできない。
とうの昔に、自然を愛で、感謝する心を失っているのだから。

ではこの娘は嘘を吐いているのか?
女王の個人的な考えでは、エルフの弟子のニンゲンなんて、一笑に伏すべきおとぎ話である。

が、エルフの女王としてその真偽を問いただす必要があった。

川 ゚ -゚)「……そなたの名前は何か。それと、そなたの祖母を呼びたまえ」

(*゚ー゚)「シィ、と申します。祖母は、荒野での戦争で……」

川 ゚ -゚)「それはすまなかった。どうしてもその話は信じがたくてな……」

本人からの話は聞けない、か
女王は残念に思った。確証が持てない、白黒付かないのは彼女の好みではない。

(*゚ー゚)「確かに、信じがたいですよね……。別に信じて頂けなくても結構です。
     ただ、その、具体的に森が燃やされた時の対策を練るべきだと……」

川 ゚ -゚)「ああ、少し脱線してしまったようだ。では本題に戻るが、我が民の多くは水の魔法を扱える。万が一の時も、それによる消化で事足りるのでなかろうか?」

(*゚ー゚)「言い返すみたいで恐れ多いのですが……
     同時に幾つもの場所で発火される可能性が高いと思います。混乱も生じますし、事前になんらかの対策をしておかないと危ういかと……」



158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:44:08.94 ID:f9WbjnGCO


川 ゚ -゚)「ふむ……そうか、では魔力が余っている者達に水の魔方陣を組ませておこう」

(*゚ー゚)「本当ですか!ありがとうごz」
ξ゚⊿゚)ξ「女王!お待ち下さい!」

ツンが、シィの意見を可決しようとした女王を制止する。
先程のシィの発言にもツンは顔を紅潮させて怒っていた。
ツンも多くのエルフの民同様、森が焼けるという発想自体が許せないのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「起こるか分からない火計への対策より、近日。必ず起こるであろう敵の侵入への対策を強化すべきです!」

川 ゚ -゚)「いや、私は対策を並列して行おうと考えているのだが」

ξ゚⊿゚)ξ「私には火計が起こるとは考えがたいです!ここは是非多数決を取りましょう!」

女王は、多数決を取れば負けることは分かっていた。
エルフの民の多くは、森が焼かれるなんて考えたくもないのだ。
森を愛するあまり、森が一番弱い火から守ることを直視できないでいるのだ。
そのエルフの民達の弱さが、女王には疎ましく思えた。

しかし、女王という立場故、ここで多数決を拒否する訳にはいかなかった。



160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:46:23.01 ID:f9WbjnGCO


その後、女王の予想通り、水の魔方陣を貼る魔力があるのなら『狙撃手』に回すべきだという意見が九割を占め、議会は閉会した。

女王は、最初はシィの意見に対し否定的であったにも関わらず、何時の間にかシィに好感を持っていたことに気づき、多数決の結果に胸を痛めた。
強気で、平生弱い者を嫌う女王が、何故弱気なシィに好感を持ったのかは女王本人にも分かっていない。

そして女王は議会終了後に、急遽、シィを新たな侍女に任じた。

理由は、複数あったが、女王の本心は至極単純明快であった。

女王は、シィともっと話がしたかったのだ。


そして、時は流転し、太陽は廻り―――



*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *



161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:48:15.66 ID:jFxzC3Bl0


敵が森を焼くかもしれない、と言う心配を冒涜的発言と受け取るかね


162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:48:19.50 ID:f9WbjnGCO


―三日後
――エルフの森


「押せぇぇぇ!!まだ数では我々の方が勝っている!」

「一気に攻めろ!相手に反撃の隙を与えるな!!」

「腕を一本やられても怯むな!!命の限り攻め続けろぉぉぉ!!」


エルフの森は喧噪に包まれていた。
誰が傷つこうが、誰が死のうがただ無策に攻め続ける人間達。

本来ならば不利でしかないはずのこの戦法。
しかし兵士達は死を恐れずに攻撃を続け、まだかなりある兵力差にものを言わせた結果、勢いでは人間達が圧倒していた。

エルフ達には理解できないのだろう。
命を盾に向かってくる兵士達の心情が。

兵器とは違い、一度失えば二度と補給はできないたった一つの命。
それらを無駄に散らせかねないこの戦法が。



164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:49:41.39 ID:f9WbjnGCO



この無謀な戦いが始まってからもう三日目。
ここを耐えきればたとえ全滅したとしても彼らの“勝利”となる。

攻撃は最大の防御とはよく言ったもので、彼らは攻め続けることでエルフの反撃を確実に抑えていた。


「まだだ!もっと押し込……ぐはっ!?」

「しょ、小隊長!」


しかし、勢いで圧倒していても、エルフの反撃を抑えていても、人間達は決して『優勢』にはなれなかった。


「またあの矢か……!この場は俺が代わりに仕切る!攻めの手を緩めるな!」


エルフ達が扱う魔法の矢。
それはどこからともなく飛んできて、そして確実に兵士達を貫くのだ。

勢いのままあと一日彼らが耐えきるか、それとも現在優勢を保っているエルフ達が彼らを撃退するか。
それはまだ、誰にも予測はできなかった。




166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:51:10.55 ID:f9WbjnGCO


――帝国軍 前線基地

(,,゚Д゚)「……」


一方そのころ、ギコは自軍の陣中からエルフの森を見ていた。
負けるための戦いが始まってから二日。
森からは時折轟音が聞こえてくるので、彼らがまだ戦っていることはギコにも理解できた。


(,,゚Д゚)「あと一日……耐えてくれ」


アサピーは自分のテントに篭もりきりでずっと作業をしている。
最終兵器とやらの完成は近いだろうか。

モララーもまだ戻って来ないことを考えると、恐らくやられてしまったのだろう。
ギコはどことなく不甲斐ない感じを覚えた。
しかし最終兵器が完成すれば、自分も再び戦場へ行ける。
そして今度こそ、エルフ達に引導を渡してやれる。

ギコの闘志は、すでに熱く燃えたぎっていた。
戦士としてこの戦争に参加したギコにとって、この休息はただの無駄な時間でしかない。



168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:53:05.04 ID:f9WbjnGCO


(,,゚Д゚)「……ん?」


ギコが視線を森から陣地に戻すと、遠方に砂煙が見えた。
エルフ達が森から出た様子は無かったから、あれは敵ではないだろう。

では味方か?援軍?
戦える兵士は全て連れてきたはずなのに、援軍を出す余裕などないだろうが……。


(,,゚Д゚)「違う……。あれは……」


ギコの目が捉えたのは兵士ではなく、荷物だ。
恐らく、城の方から物資の補給をしてくれたのだろう。


(,,゚Д゚)(兵糧もまだ少しなら余裕があるが……まぁ、あって困るものではないか)


本来ならばこういう補給物資の対応はアサピーがやるのだが、彼は最終兵器とやらの準備でまだ忙しいはず。
ギコはめんどくさそうに頭を掻きながら、補給部隊の方へ歩いていった。



170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 21:55:31.87 ID:f9WbjnGCO


( ∵)「おや、ギコ隊長。今日は出撃なさってないのですか」

(,,゚Д゚)「……いろいろあってな。それより、物資の補給か?ご苦労さん」

( ∵)「はっ。食糧と武器、そして、油と火炎放射器をお持ちしました」

(,,゚Д゚)「……なんだと?」


どういうことだ、とギコが口を開く前にその台詞は背後から飛んできた。


(-@∀@)「どういうことだ」

(,,゚Д゚)「……博士」


顔色も悪く、足元もおぼついていない。
いつ倒れてもおかしくない風体だ。

(-@∀@)「食糧と武器はわかる。……油と火炎放射器はどういうことだ。まさか、森を焼くのか?」

( ∵)「はい」

(-@∀@)「……それはいい。エルフ達にも大打撃になるだろう」

( ∵)「でしょうな」



175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:01:03.71 ID:f9WbjnGCO


(#-@∀@)「ふ……ざけるな!!」


アサピーが兵士につかみかかろうとする。
しかし、一歩踏み出したところでバランスを崩しギコがアサピーを受け止めた。


(;゚Д゚)「おい、博士。無茶をするな」

(#-@∀@)「落ち着いてられるか!あの森を焼けだと!?森の保護を優先しろとの命令だっただろう!」

( ∵)「王が直々に方針を変更なさったのです。我々が意見できることはありません」

(#-@∀@)「貴様等はあの森の価値をわかっていない!敵の住処ではあるが、この大地に残された数少ない緑が集結しているのだぞ!」

(#-@∀@)「緑が無ければ……人は生きていけないことがなぜわからん……!」

( ∵)「……」


(,,゚Д゚)「博士……少し落ち着け。ここであんたに倒れられちゃかなわん」

(-@∀@)「く……」



177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:02:47.34 ID:f9WbjnGCO


(,,゚Д゚)「……俺も森を焼くのは反対だ。いくらなんでも横暴すぎる。そんなの、侵略者のやることだ」

( ∵)「……」


かつての、憎しみに狩られていたギコなら、森を焼くのに賛同していただろうが、今、ギコは森を焼きたいとは思わなかった。
ただ単純に、あの森の緑を失いたくない気がしたからだ。
自分達の国では決して見ることは叶わない緑を。

(,,-Д-)「それに……俺達の戦争はあの火災が発端だ。あの火災と同じ行為を繰り返したら……」

戦争は、憎しみは、繰り返すだろう。 戦いに明け暮れた、一人の兵士として、ギコは憎しみの連鎖を止めたかった。

( ∵)「なるほど、あなた方の言いたいことはわかりました」

( ∵)「……ですが、現状を見る限り、このままでは戦の勝利を収めることはいささか厳しいように思えますが」

(-@∀@)「ぐ……」


( ∵)「アサピー博士。緑を残したとしても、戦に敗れれば我々人間は、残忍なエルフに皆殺しされるでしょう……。
   そこまでいかなくともエルフの捕虜、奴隷として生きることとなります」

( ∵)「まず戦に勝利し、可能ならば緑を残すことがあなた方の仕事と私は心得ております」

( ∵)「しかし戦に勝利することが困難な今、なりふりに構っている場合ではないかと」



181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:04:56.55 ID:f9WbjnGCO


(,,゚Д゚)「……」

(-@∀@)「……」

( ∵)「納得が行かないのはわかりますが、我らの勝利のために、強いては民たちのために何卒……」


この戦に負ければ、国に残された人達の生活が危ぶまれる。
今命をかけてエルフ達の足止めをしている兵士たちの家族も、だ。

彼らのためにも、森を焼いた卑怯者、森の価値をわからぬ大馬鹿者の汚名を自分達がかぶらねばならないのだ。


(,,゚Д゚)「博士……」

(-@∀@)「……わかっている。私も子供ではない」


(-@∀@)「森を焼いても、種があればいずれまたあの緑豊かな森へ戻るはずだ。それに賭けるしかない」

( ∵)「ご理解いただけたようでなによりです」

(-@∀@)「ああ。……ご苦労さん。あんたは戻っていいぞ」

( ∵)「はっ。失礼します」



183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:06:12.89 ID:f9WbjnGCO


(-@∀@)「……やれやれ。火計工作の部隊と火をつけるための作戦を考えねばな」

(,,゚Д゚)「……あれ。最終兵器はできたのか?」


(-@∀@)「おぉ!そうだったそうだった。これをお前に渡そうと思ったのだ」

(,,゚Д゚)「これ……腕輪?」


アサピーが取り出したのは銀色の腕輪だった。
パッと見ではただの腕輪にしか見えないが、一体どこが最終兵器なのだろうか。


(-@∀@)「この世の全ての現象は科学で証明できる。エルフの使う魔法も然りだ」

(-@∀@)「魔法を使うのにしても何をするにしてもエネルギー、言わば熱量が必要になる。エルフ達は先天的に持つ……」

(,,゚Д゚)「すまん博士。結局これはなんなんだ?」

(-@∀@)「…………。それは半径三m以内で魔法の効果を無効化する腕輪だ」

(,,゚Д゚)「魔法を無効化……?」

(-@∀@)「ああ。例えば向こうが火を噴いてきたとしても、その腕輪があれば無効化できる」

(,,゚Д゚)「……へぇ。結界もか?」

(-@∀@)「範囲内ならばな」



186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:08:58.17 ID:f9WbjnGCO


つまり、剣の届く距離ならば結界を気にせずに攻撃ができるということだ。
それに、遠距離からの魔法も無効化できる。
エルフにしてみれば魔導アーマーよりも厄介な代物だろう。


(,,゚Д゚)「これが……最終兵器」

(-@∀@)「時間さえあればもっと広範囲の魔法を無効化できる物が用意できただろうが……」

(,,゚Д゚)「いや。十分だ」


半径3m圏内ならば、インファイターのギコにはちょうどいいくらいの範囲だ。
なるほど、間合いが遠いモララーには確かに扱い辛いだろう。


(,,゚Д゚)(だから俺の方がいいと言ったのか……)


(-@∀@)「ただ、魔法で作られた火を防ぐことはできるが、火計の火を防ぐことはできないからな。注意してくれ」

(,,゚Д゚)「大丈夫だ。問題はない」



190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:10:42.86 ID:f9WbjnGCO


(-@∀@)「……よし、じゃあ私は部隊の再編を……」

(,,゚Д゚)「それは俺がやる。博士は休んでいてくれ」

(-@∀@)「だが……」

(,,゚Д゚)「どうせここ最近寝ていないんだろ?大丈夫だ。俺に任せてくれ」

(-@∀@)「……すまんな」

(,,゚Д゚)「気にするな」


この腕輪があれば、あの厄介な結界も怖くはない。
魔法の攻撃ですらギコの前では無力なのだ。


(,,゚Д゚)(今度こそ、奴らを……)


フラフラと自分のテントへ戻っていくアサピーの背中を見つめながら、ギコは決意を新たにする。

明日は決戦だ。
この戦いできっと勝負は決まるだろう。


(,,゚Д゚)「勝つ……絶対に、な」



192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:12:52.61 ID:f9WbjnGCO


*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *

―同刻、エルフの森

(*゚ー゚)「位置、捕捉。二時の方角……情報想信します」

川 ゚ -゚)「了解した」

矢をつがえ、弦を張り、矢を放つ。
ビィン と、弦が鳴る。
これだけの作業で、人が死ぬ。この小さな音が、人の断末魔となる。

敵の前に出ることも、構えも、狙いすらも不必要。それが“狙撃手”

狙撃手は連携魔法の一種であり、一人が森全体に探知型魔法陣を張り、敵を捕捉し、もう一人が矢を魔法で操り、探知した相手を射抜く、というものだ。
探知型魔法陣で捕捉した敵の位置情報は、脳内イメージを相手に見せる魔法――〝想信〟によって正確に伝えられる。

矢を操作できる、敵を見ずとも場所が分かるという性質上、木々が鬱蒼と、壁のように立ちはだかるこのエルフの森でも、
樹を避け、茂みを潜り、盾を越え、鎧の隙間を、遠距離から正確に射抜けるのだ。
更に、射抜いた対象が小隊長であれば、兵は混乱し、分散していく。
これが功を成し、圧倒的多数で、三日間攻めてきているにも関わらず、ニンゲン達は森を攻略できていなかった。
一見ニンゲンが攻めているように見えるが、この進行は寧ろ、徒に兵を減らしているだけだった。
ニンゲンが樹上のエルフを見つけ、一人殺すまでの間に、狙撃手は十人のニンゲンを射殺している。
そして、ニンゲンが狙撃手の矢の源を探っても見つかる訳が無いのだ。
狙撃部隊は、はるか後方―森の最奥地に潜んでいるのだから。

今、前線では多量の血が流されていることだろう。
今、前線では断末魔が、銃声が轟いていることだろう。

だが、この狙撃部隊が潜む奥地にはそのどれも届かない。



196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:15:27.71 ID:f9WbjnGCO


我ながら恐ろしいモノを考え出したものだと、感心すると同時に、女王は寒気も感じる。

この狙撃手は、罪悪感を一切感じさせず、人を大量に殺しているのだ。
女王は一際ニンゲンを憎んでいる。が、それでも、人が虫を殺す時に感じるような、憐憫にも似た微量の罪悪感は常々感じていた。

しかし、狙撃手にはそれがない。
恐らく、敵を、血を、人が苦しむ様を見ないからだろう。
我々がしているのは『矢を放つ』という作業だけのように感じてくるのだ。
これは、ニンゲンの大砲等と同じだ。
奴らも、大砲を放つ時、弾を込め、導火線に火を点けるだけの作業と感じていたのだ。
その大砲で放たれた爆弾が多くのエルフを殺していることを、感じていなかったのだ。

狙撃手は、ニンゲンの造りだした鉄の兵器―――銃や大砲、魔導アーマーとなんら変わらないのではないか?
ニンゲンを憎む余り、ニンゲンに近づいているのではないか?と、危惧すら抱いてしまう。

そんな女王の考えを肯定するかのように、近くで声が上がる。

ζ(^ー^*ζ「やったぁ☆るいけー千人突破だよ~!!ほらハイタッチハイタッチ!」

ξ゚⊿゚)ξ「何やってんの。そんな暇あったらさっさと次の的を教えなさいよ」

一番功績を上げている、ツンとデレのコンビであった。
元々攻撃、防御とキッパリ分かれているこの二人は、まさに狙撃手にうってつけなのだ。
その相性の良さを見込んで、狙撃手に抜擢した時、ツンは前線に出れないことを不満そうにしていたが、
いざ狙撃手を始めると、この一方的な破壊に快感を感じ始めているようだ。



200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:16:53.35 ID:f9WbjnGCO


女王は、シィと組んでいた。シィが探知役を務め、女王が操作矢を放つ役割を担っている。

この狙撃手、唯一の欠点は、探知型魔法陣が元来迷子の子供を捜すための魔法陣(誰が戦争で使われると夢想しただろうか)であるため、
連続で探知することは想定されておらず、一度目標を捕捉すると、再び捕捉するまでに時間がかかることだ。

特に、シィはまだ若く、未熟なエルフなのでかかる時間が長い。
額に汗を浮かばせつつも、必死に敵を捕捉しようとしている。

(*;゚ー゚)「んっ……」

川 ゚ -゚)「シィ、少し休もうか」

(*;゚ー゚)「いえ、大丈夫です!私の気遣いなんて――」

川 ゚ -゚)「いや……しかしだな」

(*;゚ー゚)「私が疲れたからといって休んだら、人間の攻撃が止まず、またエルフの民が一人多く死んでしまうかもしれないんですよ!」

川 ゚ -゚)「……命令だ。ここを一時離脱するぞ」

(*;゚ー゚)「そんn」

川 ゚ -゚)(落ち着け、少し離れた場所で話したいことがある)

(*゚ー゚)「……はい」



202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:18:06.40 ID:RWpbS5RaO


先が読めそうで読めん


203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:19:05.66 ID:f9WbjnGCO


黙々と矢を放ち、人を着実に殺めていく狙撃手達を尻目に、二人のエルフは森のさらに奥地へと進んでいった。

小鳥のように梢を踏み場とし、跳躍しながら、女王はシィに語りかけた。

川 ゚ -゚)「実は先日の会議で、そなたの言っていた対火計の魔法陣を張っておきたくてな」

(*゚ー゚)「!!!本当ですか!ありがとうございます!!」

川 ゚ -゚)「まぁ、他の民は反対のようだから、私とそなたの二人だけで張る、心許無い対策となるが……無いよりはマシだろう」

(*゚ー゚)「本当によかった……。ありがとうございます」

川 ゚ -゚)「それと、もう一つ用件がある」

(*゚ー゚)「?」

川 ゚ -゚)「先日言っていた、魔法を学んでいたニンゲンの話を聞きたい」

(*゚ー゚)「あぁ、それですか……」

話している内に、二人は奥地へと辿り着いた。
エルフの森の奥地は、祖先の墓所であり、エルフの森が生みだしたと言われる、一本の古樹――始原の世界樹が聳え立っている。
集会に使われる古代樹も、この始原の世界樹の子孫の一本に過ぎないのだ。
何百年も前から、枯れかかっており、かつての威光は消えているが、それでもエルフ達が崇める樹であり、エルフの魔力の源となっている、と言われている樹である。

女王は、これが燃えるのだけは、避けたかったのだ。



208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:21:01.88 ID:f9WbjnGCO


(*゚ー゚)「では、魔法陣を張りながら話しましょうか」

川 ゚ -゚)「ああ、頼む」

二人で手を翳し、太古の文字、ルーンで始原の世界樹を囲む。

魔力が、二人の手からルーンに注がれてゆく。

魔法陣を張る段取りを済ませたので、女王がシィに話し始めるように催促する。

シィは軽く芝居がかった咳払いをすると、私は直接その人を見たことは無いんですが……と前置きをし、語り始めた。



211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:22:43.81 ID:yzYcTKDf0


しぃはどうなるかな


212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:22:48.56 ID:f9WbjnGCO


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

時は、今から二百年程前に遡る

ニンゲンの国の、田舎の、狭く小さい村に、一人の男児が生まれた。

(*'A`) オギャーオギャー

その男児は、ドクオと名づけられた。

('A`)「……」

<ヽ`∀´>「うわーwwwwドクオが来たニダwwwww菌が移るニダよwwwwwwwww」

(・∀ ・)「うわっwwwくっせぇwwww帰れよドクオwwwwwなんで生きてんのwwwwwww」


その男児は、醜かった。
それだけの理由だったが、村の者達に忌み嫌われ、迫害されるには十分だった。
成長するにつれ、彼はますます醜くなり、迫害も、それに比例して激しくなっていった。

(・∀ ・)「お前は俺達に貢ぐぐらいしか生きてる価値ねぇんだからとっとと金持って来いやオラァアアア!!!」

<ヽ`∀´>「金が無い?ババアの財布なり戸棚なりから盗ってくるニダ!!!!さもないと謝罪と賠償を請求するニダ!!!!!」

彼の友達は、山や畑に居る、昆虫や、獣や、鳥たちだけだった。
自然は、誰に対しても平等だった。醜くとも、美しくとも、弱くとも、強くとも。

彼は、一日の大半を山で過ごしていた。
青年になっても、大人になっても、山は彼の唯一の救いであった。



213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:23:06.45 ID:IydFyEix0


続き気になるー
支援


215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:25:29.39 ID:f9WbjnGCO


しかし、帝国による開発の手が、彼の山にも及んだ。

山は、大量の火薬により消し飛び、機械のシャベルにより崩された。
山に住む昆虫や、獣や、鳥も、同時に。ゴミクズのように消し飛ばされた。


ドクオは、生まれて初めて、泣いていた。
どれだけ迫害されても流さなかった涙を流し、吼えていた。



気がつくと彼は村を出ていた。――返り血を浴びた服を纏い、酷使され、原型を留めなくなった刃物を持って。

何日も荒野を彷徨った。
見渡す限り、地平線しか移らない荒野。
極稀に現れる小動物を、捕まえ、何も考えずに食した。

服はいつの間にか剥がれ落ち、髭は伸び、まるで獣のような姿に――否、彼は、飢えた獣になったのだ。

混濁する意識の中、理性が失われたまま、彼は一つの方向に導かれるかのように進んでいた。
空腹が、疲労が彼の体を死へと誘っていたが、何かに操られるかのように彼は一つの方向へと進んだ。


辿り着いたのは、エルフの森だった。


彼は、再び光を取り戻した眼で森を見た。
彼は、再び涙を流し、長い旅で疲弊しきった体を動かし、一本の樹に触れると、糸が切れたかのように倒れこんだ。



218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:28:01.49 ID:f9WbjnGCO


そして彼は、倒れている所を、一人の変わったエルフに拾われた。

(*゚∀゚)「起きたか」

('A`)「………」

(*゚∀゚)「言葉は話せんか、まぁ無理も無いな。なんせ獣になっていたんだから」

('A`)「………」

(*゚∀゚)「ま、お前さんみたいな純粋な心を持ったニンゲンは初めて見る。面白いから研究させてもらうよ」



そのエルフの下で、ドクオは徐々に体と心を癒していった。
エルフが不可視の魔法を掛けてくれているらしく、ドクオが外へ出、他のエルフや獣に近づいても、誰も危害を加えようとしなかった。

そして長い年月が経ち、ドクオは再び言葉を発することができるようになった。

ドクオは、そのエルフ……ツーに魔法を教えてくれるよう頼んだ。



221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:29:32.10 ID:f9WbjnGCO



断られた。

が、何度も彼は頼み込んだ。
やがて根負けする形で、ツーはドクオに魔法を教え始めた。

しかし、種族が違う。

ツーが魔法を教えようとしても、ドクオはまず魔力を集めることすらできなかった。
最も簡単な魔法……光の魔法さえも灯すことはできなかった。

しかし、ドクオは諦めなかった。
魔力の根源は自然を愛する心だとツーから聞いてから、自然と一体化するための努力を始めた。

何年も、何十年も、様々な努力を続けた。

何回も、何十回も、様々な挫折を味わった。

そして、気の遠くなるような年月を重ね、彼が老衰による死の直前に至った時。
彼は、指先に、小さな光を灯した。



彼は、微笑みながら死んだ。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:29:44.08 ID:sTdsVV0CO


アルパカもきてる支援


226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:31:41.46 ID:f9WbjnGCO


(*゚ー゚)「……以上です」

川 ゚ -゚)「…………」

(*゚ー゚)「私は、この話を聞いて以来、人間のことが嫌いじゃなくなりました」

(*゚ー゚)「確かに、人間は愚かです。しかし、彼らは努力することがどんな生き物よりも得意です」

(*゚ー゚)「私、思うんです。人間達の機械は、私達の魔法に憧れて作られたんじゃないか、って」

(*゚ー゚)「魔導アーマーなんて、特にそうです。努力で積み上げた技術で、彼らは魔法を手にしたんです。
     その力の使い道を間違えているのは確かですが……」

川 ゚ -゚)「……」

(*゚ー゚)「私は、今は無理かもしれないけど……その……いや、やっぱいいです!」

川 ゚ -゚)「気にするな、話せ。そなたの話は……興味深い」

(*゚ー゚)「ん……そうですか……なら、えーと」

(*゚ー゚)「人間とエルフが仲良くしてる世界が、いつか訪れると思います」

(*゚ー゚)「十年先、百年先、いえ、もっと先でしょう。私達も生きていないと思います。」

(*゚ー゚)「そんな遠い未来かもしれないけど、きっと、訪れると思うんです」

川 ゚ -゚)「……」

(*゚ー゚)「……やっぱ、私、変ですかね?こんな事考えるなんて」



228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:32:04.36 ID:yzYcTKDf0


死んだのか、人間にはそこまで魔法の適性がないのか


229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:32:47.33 ID:RWpbS5RaO


切ない


230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:32:59.93 ID:f9WbjnGCO



川 ゚ -゚)「変、だな」

(*゚ー゚)「即答ですか……」

川 ゚ -゚)「ああ、変だ」

川 ゚ -゚)「だが、面白い」

(*゚ー゚)「それ、褒めてるんですか?」

川 ゚ -゚)「無論だ。私には理解できない、いや、そんな話エルフの民にも、ニンゲンにも理解できない話だろう」

川 ゚ -゚)「だが、面白いな」

(*゚ー゚)「そうですか……あっ、もうすぐ魔法陣完成しますね!!」

川 ゚ -゚)「ああ、まぁこれが役に立たないこと祈ろう」

(*゚ー゚)「そうですね……今日はありがとうございました!!」



231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:33:05.09 ID:IydFyEix0


しぃ…


233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/07(水) 22:34:26.65 ID:f9WbjnGCO



川 ゚ -゚)「構わん。元々私が言い出したことだ。それより、これが終わってもまだ狙撃手をやらなければならんぞ」

(*゚ー゚)「あっ……そうでしたね……」

川 ゚ -゚)「ふふっ、エルフの民を守るんだろう?」

(*゚ー゚)「ええ、そのために人間を殺すのは気が進まないですが……」

川 ゚ー゚)「お前は、おかしな奴だな」


女王はシィに気づかれないように、背を向け、微笑んだ。

久々に笑みを浮かべたことに気づき、最後に笑ったのはいつかと思いを馳せる。
思い返せば、それは、先代女王を殺したニンゲンを殺した時だった。
あの時は狂喜したものだったが、再び笑みを浮かべるのがこのような会話をした後とはな、と女王は皮肉に思った。






 >> ep.Ⅳへ続く
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[ 2012年11月08日 19:58 ] カテゴリ:2ch VIP SS | TB(0) | CM(0)
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